♪自作の部屋
【おなじみパーツの紹介】
アナログシンセでよく使われるパーツ類を紹介します。
品番末尾の「▲」は廃品種を、「△」は廃止予定品を示します。また「■」はRochester
Electronicsによる再生産または再販売が始まったものです。
品名 |
解説 |
おもな製品 |
メーカ |
特徴 |
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モノリシック |
●「モノリシック」とは |
2SA1349▲ |
2個のTrが独立しており、ラダーVCFなどに便利だった。 |
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2SA794▲ |
三菱 |
国産低価格品の元祖。エミッタコモン。廃止になって20年以上たつがファンは多い。 |
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2SA1928▲ |
上記三菱品の後継。イサハヤ電子は三菱から移管されたメーカー。 |
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MAT01 |
高精度モノリシックDual(04はQuad)。高価だが性能は確か。 |
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SSM2210■ |
2210、2212:NPN |
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LM394▲ |
高精度Dual NPN。 |
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CA3045▲ |
RCA |
3045、3046はNPN×5(3045は3046の工業用グレード)。 |
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トランスコンダクタンスアンプ(OTA) |
●「CA3080」 ●NE5517の評判 |
CA3080■ |
RCA |
市販品・自作の世界で永らく標準的に使用されてきた。 |
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CA3280■ |
RCA |
Dualタイプ。回路的にはLM13700類似だが、ノイズ、歪率は飛躍的に改善されている。Profet5で有名。 |
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LM13600■ NJM13600▲ |
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Dualタイプ。3080の弱点だった入力ダイナミックレンジを改善するダイオードアッテネータを内蔵。13700と13600の違いは、出力バッファアンプ部の接続とバイアス回路。セカンドソースはNJRCなど。 |
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NE5517 |
Dualタイプ。LM13700とはコンパチだが、低電圧動作に弱いとの報告も(要追試)。 オリジナルはSignetics(NPX)だが、現行品はセカンドソースのONsemiのみ。 |
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VCA |
●VCAとして最初から作られた専用IC ●SSM2164の応用 |
SSM2018 SSM2164▲ (V2164) |
2018は標準Dual、2164はローコストQuad。 Cool AudioのV2164はSSM2164の事実上のセカンドソース。 |
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2180 2181 2162 |
2180/2181はSingle、2162はDual。VCAとしての性能にこだわればこちら。 |
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アナログ |
●リングモジュレータ・VCA・VCF・VCO |
RC4200■ |
Log-antilog構成。電源電圧が古風(+12V,-8V)でちょっと扱いづらい。 |
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MPY634 |
トランスコンダクタンス構成。±15V電源で、±10Vが扱えるなど使いやすい。 |
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AD633 |
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オペアンプ |
J-FET入力 |
●アクティブ回路全般 ●Bi-FET Bi-FETという呼び方が広まっているが、これはNSが開発したモノリシックでFETとバイポーラを効率よく作りこむICの構造(アーキテクチャ)の商品名。一部の他社品ではBi-FETでないものもある点で、Rail-to-Rail(Motrola)やTTL(TI)とワケが違うので注意。 |
LF356 |
Bi-FET構造の第一世代。AC/DC特性とも優れ、容量負荷にも強く現在でも主要な標準デバイス。第二世代よりやや高価でDual・Quad品がないのが弱点。 |
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TL08X |
第二世代の基本モデル。 廉価版のため出力が弱く、容量負荷で発振しやすい。 |
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TL07X |
08xのローノイズ品。 |
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LF351/353/347 |
TL08xとほぼ同じ。 |
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LF411/412 |
08xのDC特性改善版。 |
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NJM2082▲ |
072の改良版。ローノイズで歪率などオーディオ特性規定あり。DC特性も良好。 |
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MOS FET |
●Rail-to-Rail入力向け ちなみに「Rail-to-Rail」はMotrolaの商標だが、他社も使っている(データシートや広告にクレジットがある)。 |
CA3130 |
RCA |
元祖C-MOS OPアンプ。単電源16Vmax。入出力ともRail-to-Rail。 |
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CA3140 |
RCA |
MOS入力バイポーラ出力。±15V電源。スピードは3130より劣る。 |
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DC用 |
●制御電圧系 |
OP07 |
高精度アンプの標準品。 |
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高速 |
●VCOなど・・・あまり使わない? |
LM318 |
元祖高速OPアンプ。 |
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uA715▲ |
GB=65MHz、SR=10V/us。 |
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単電源 |
単電源でRail-to-Rail入力可能で、電池駆動のエフェクタには欠かせない。 |
LM324、358 |
324はQuad、358はDual。 |
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MC3403 |
LM324上位互換。出力段がAB級。 |
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ゲルマニウムダイオード |
●リングモジュレータ |
1N60 |
各社 |
海外ではまだ多数製造されている。昔の国産類似品種としてはNECのSD46、松下のOA70など。 |
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トランジスタ |
●バッファ、インターフェース等 ●スルーホール外形終息 東芝は、スルーホール外形(プリント基板に穴を開けてリード線を挿入し、裏面で半田付けする)の、2SA1015/2SC1815などの全面廃止を決めた。 NEC(現ルネサス)は2007年で終息しており、一般的に小売店で入手できる国産品は、これで事実上全部なくなることになる。 |
2SA733▲ |
NEC/ルネサスはリード型トランジスタ全部をディスコンとしたため「幻の銘器」の仲間入り。 |
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2SA1015▲ |
コンプリ(hFEランクO,Y,GR) A733/C945をライバルとして生まれ、アマチュア市場を席巻した。 |
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2N3906 2N3904 |
各社 |
FCSほか多数。 メーカによるが、一般にhFEのランク区分がなく、シビアな用途には使いづらいことも。高周波特性は優秀。 |
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FET(J-FET) |
●アナログスイッチ
●電圧制御抵抗(VCR) VCAなどのように、あまりリニアリティやダイナミックレンジを要求しない場合、純抵抗として扱えるVCRは便利。古くはペア(モノリシック)を利用した乗算器の回路例がデータシートに掲載されていたことも。 |
2SK363▲ |
ランクVは国産小信号J-FETで最大のIDSSを持ち、rDS(on)の低さとも相まって応用が利く。ただしスイッチングスピードは遅い。 |
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ダイオード |
●リミッタ(クリッパ)、整流、スイッチング、レベルシフト等 |
1S2076A▲ |
1S1588より低速だが一般的な用途では問題なく代用可能。VCFの電流制御抵抗としてはこちらがよいという評価も。 |
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1S1588▲ |
永らく万能Diの地位を独占。極間容量2pF、逆回復2nSという高性能さに現行品で及ぶものは存在しない。 |
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1SS133▲ |
1S2076Aより高速。ロームは国産最後のリード外形供給元だったが、ついにディスコン。 |
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1N914 1N4448 |
各社 |
FCS、ON、NXPほか。 |
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正温度係数抵抗 (TEMPCO) |
●アンチログ回路の温度補償 |
LT▲ |
標準品は抵抗値公差G級だが、特注でF級も。LPより補償範囲が狭いが廉価。 |
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LP▲ |
旧多摩電気製品。公差Fが標準。温度係数補償範囲が広く、安定。その分高価。 |