固定抵抗器の種類と特徴
金属箔 巻線 金属皮膜 メタルグレーズ 酸化金属 炭素皮膜 ソリッド
抵抗体の材質 合金(Ni、Cr、Ta、Tiなど) SnO2 炭素
抵抗体の形状・構造 合金箔
支持体(セラミックス、樹脂)に貼り付け
電線
支持体(セラミックスのボビン)に巻きつけ
皮膜
支持体(セラミックス)上に真空蒸着またはスパッタで皮膜形成
棒状ガラス体
低温ガラス中に金属粉を分散したものを成型
皮膜
支持体(セラミックス)上にスズ塩水溶液を塗布し加熱分解で皮膜生成
皮膜
支持体(セラミックス)上に微粉末(スス)を焼き付け
棒状樹脂体
微粉末を練り込んだ合成樹脂を加熱加圧成型
抵抗値の合わせ込み
(トリミング)法
断裁(型抜き)後、
レーザー又はエッチング
線材の長さ=巻回数で調整
(研削することもある)
研削又はレーザー
(リード品はらせん状、SMT品は波型の溝を切る)
高精度品は研削
(全体を均一に削る)
研削
(らせん状の溝を切る)
研削
(らせん状の溝を切る)
一般にトリミングなし
主な用途 高精度小信号(測定器等)、
高周波回路、航空宇宙用
電力用(大電力全般)
高精度低周波用(測定器等)
準高精度小信号、低雑音
(オーディオ関係等)、一般用
高電圧・小電力分野
(ブリーダ、電流制限等)
電力用など難燃性が要求される用途 小信号一般用 小信号一般用、
高周波用
一般的なスペック
抵抗値 1m~数100kΩ 0.1~数10kΩ 0.1~数100kΩ 数10k~100MΩ 0.1~数100kΩ 0.1~10MΩ 1~10MΩ
定格電力 1/16~2W 1/4~500W 1/16~2W 1/4~50W 1/4~20W 1/4~2W 1/4~2W
精度 1%級以上
(個別校正可能)
高精度用:1%級以上
(個別校正可能)
大電力品:5~20%
0.1~5% 0.5~20% 1~10% 2~20% 5~20%
温度係数 ~+100ppm/K 高精度用:~+100ppm/K
一般用:+100~200ppm/K
感温:+1100~5000ppm/K
高精度用:~+100ppm/K
一般用:+50~150ppm/K
感温:+1100~5000ppm/K
一般用:-300~0ppm/K
(温度係数調整可能)
±200~350ppm/K 一般用:-1300~+700ppm/K
難燃用:±500ppm/K程度
±1500~±300ppm/K
SMT外形 あり 一部あり(MELF) あり(SMT品の主流) 一部あり(MELF) 一部あり(MELF) なし なし
金属箔 巻線 金属皮膜 メタルグレーズ 酸化金属 炭素皮膜 ソリッド
特徴
  • 特に高精度・高安定度。
  • 衝撃や急激な温度変化、インパルスに強い構造も可能。
  • 電気部品として最古の実績。
  • 電力用は比較的低廉で標準品が多く流通。
  • 外形、定数のバリエーション豊富。
  • 高精度品は金属箔と同等。
  • 金属系抵抗では最も廉価。
  • 精度は0.1%級程度まで。
  • 低雑音。
  • SMTの主力。
  • 生産、流通量最大で入手性良好。
  • 高耐圧・高抵抗が得やすい(100MΩも市販)。
  • 抵抗体が単純な棒状なので低インダクタンス。
  • インパルスに強い。
  • 抵抗体は難燃性。
  • 量産性が良く低廉。
  • 数10W級で抵抗値も幅広く対応。
  • 抵抗体は高温に耐え難燃性。
  • 量産性が良く低廉。
  • 入手性は最高。
  • 民生用で古くからの実績。
  • 1/8~5W程度、数MΩ~10MΩ程度まで対応。
  • 量産性が良く最も低廉。
  • 抵抗体が単純な棒状なので低インダクタンス。
  • インパルスに比較的強い。
弱点
  • 一般に高価。
  • 原理的に高抵抗値が苦手。
  • 標準品の製造業者が少ない(世界で3社程度)。
  • 構造上大きなインダクタンスが不可避(対策品は高価で浮遊容量大)。
  • 一般に高周波には不適。
  • 高精度品は高価。
  • 原理的には高抵抗値が苦手。
  • リード線タイプはインダクタンスやや大。
  • 炭素系に比べると高価。
  • 用途的にSMT外形化に不向き(高圧)。
  • 原理的に低抵抗値は困難。
  • 高精度品はやや高価。
  • SMT外形化に不向き(大電力)。
  • インダクタンスやや大。
  • 一般用は外被が塗装だけなので、雰囲気に弱い。
  • SMT外形化に不向き。
  • インダクタンスやや大。
  • 難燃品は特に指定必要。
  • 吸湿性で雰囲気影響大。
  • 長期保存品はエージングなどの事前処置必要。
  • SMT外形なし。
  • 生産量は減少傾向で入手性にやや難。